制御工学を学ぶ上でよく用いられる制御対象の例

みなさん,こんにちは
おかしょです.

制御工学を学習しているとさまざまな制御則や誘導則などを学びます.参考書ではよく伝達関数で表現されたシステムやマス・スプリング・ダンパーシステムなどを例として解説されています.論文ではもっと具体的にクアッドコプターやローバーなどに適用した結果を説明しています.

ただ,同じ制御器を使っても適用する制御対象が異なれば挙動は全く違うものになります.ある制御対象には有効な制御器でも,違う制御対象に対しては全く機能しない制御器というのも存在します.

制御器の性能というのはさまざまな基準で評価されますが,あらゆる制御対象に適用可能であるということも制御器の性能を示す大きな要素になります.

また,制御器を学ぶ上でいろいろな制御対象に適用することでより理解が深まります.

この記事では適用先としてよく用いられる制御対象の例を紹介します.各制御対象にリンクを張っているので,そのリンク先で運動方程式の導出方法などを解説しているので,気になる制御対象があったらチェックしてみてください.一応,難易度順になっているので制御工学初心者の方は上から読んでいくとわかりやすいと思います.

1次遅れ系

この1次遅れ系は制御工学の参考書で最もよく用いられます.特に古典制御工学を解説するうえで必ずと言っても良いほど出てきます.

以下の記事では1次遅れ系とはどのようなシステムなのかを時間領域の式に変換したり,ボード線図を使って解析しながら解説しています.

マス・スプリング・ダンパーシステム

マス・スプリング・ダンパーシステムはその名の通りマス(質量)を持った台車にスプリング(ばね)とダンパー(減衰機構)がつなげられたシステムのことです.

制御工学の参考書でも良く取り扱われていて,現代制御工学の状態方程式を求める例題などで使われます.そのため,大学の授業でもよく利用されています.

このシステムは本当はばねがあるので非線形ですが,線形化されたシステムとして扱われることがほとんどです.以下の記事でも線形システムとして運動方程式の導出を行っています.ついでに状態方程式の導出も行っています.

 

ワンリンクアームロボット

このシステムはワンリンク,つまり関節が一つだけあるロボットです.

言ってしまえば,振り子にモーターが付けられていて振り子の角度の制御ができるだけのシステムです.そのため,運動方程式の導出も普通の振り子の場合とほとんど変わりません.

このシステムは非線形システムになるのですが,非線形システムの中では非常に単純なので非線形制御の学習を始めようとしている方には最適な制御対象だと思います.まずはこの単純な非線形システムから初めて徐々に複雑なシステムに移っていくと良いと思います.

 

二輪型倒立振子

このシステムは少し複雑です.簡単に説明すると円柱状の棒に車輪が2つつけられたシステムで,車輪をうまいこと回転させることで棒を直立させたままの状態に制御されることが多いです.

このシステムは複雑なので,運動方程式の導出は力やモーメントではなくエネルギーを利用します.エネルギーを利用した運動方程式の導出方法をラグランジュ法というのですが,それについても以下の記事で詳細に解説しているので参考にしてください.

 

クアッドコプター

最近はドローンによる空撮などが注目を集めていますが,その多くはクアッドコプターと呼ばれるドローンです.クアッドコプターとはプロペラを4つ持ち,空を飛ぶドローン(無人機)のことを言います.このドローンの種類についてはこちらで詳細に解説しているので,気になる方は読んでみてください.

クアッドコプターは構造が単純なので運動方程式も簡単に導出できます.ただ,動きが3次元になるので姿勢角などのイメージがわきにくくなります.以下の記事で詳細に解説しているので参考にしてください.

 

公開予定の制御対象

今後,運動方程式の導出を解説する予定の制御対象を以下に列挙します.

2次遅れ系
3次遅れ系
モーター
アーム型倒立振子
台車型倒立振子
固定翼航空機
ローバー
人工衛星

 

まとめ

今後も制御対象の解説記事を投稿し次第,このページにリンクを張りますのでチェックしていただけると嬉しいです.

この記事が制御工学学習者の助けとなれば幸いです.

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