みなさん,こんにちは
おかしょです.
この記事では正規分布とはどのような分布のことを言うのかを解説します.また,性質などについても解説していきますので,気になる方は読んでみてください.
この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.
- 正規分布とは
- 正規分布の性質
- 正規分布を指数関数から導出
この記事を読む前に
正規分布というのはある確率密度関数で表されます.
確率密度関数について知りたい方は以下の記事を読んでください.
指数関数とは
確率密度関数というのは簡単に言うと,横軸に確率変数,縦軸に確率をとったグラフで表される関数のことを言います.
この関数は特殊な形の指数関数で表されます.
まず,指数関数とはどういう関数なのかを説明します.
指数関数というのはネーピア数と呼ばれる\(e\)で表される文字で表される関数のことを言います.このネーピア数\(e\)というのは,数値で言うと約2.7になります.
この指数関数をグラフで表すとこのようになります.
数式で表すと以下のようになります.
$$ y = e^x $$
指数関数の形を変形する
さて,ここからは指数関数の形を変形していき正規分布の確率密度関数と同じ形にする方法を解説します.
まず,指数関数の肩についていた変数xを2乗します.
$$ y = e^{x^2} $$
これの逆数をとります.
$$ y = \frac{1}{e^{x^2}} $$
この関数の変曲点を調べてみます.
変曲点というのは,傾きが正から負に変わる点,もしくは負から正に変わる点のことを言います.変曲点は関数を2回微分することで求めることができます.
先程の関数を微分すると以下のようになります.
\begin{eqnarray}
y&=& e^{-x^2} \\
\frac{dy}{dt} &=& -2xe^{-x^2} \\
\frac{d^{2}y}{dt^2} &=& -2e^{-x^2}(1-2x^{2})
\end{eqnarray}
2回微分の式を\(=0\)として解くと以下のようになります.
\begin{eqnarray}
-2e^{-x^2}(1-2x^{2}) &=& 0\\
1-2x^{2} &=& 0\\
x &=& \pm \frac{1}{\sqrt{2}}
\end{eqnarray}
変曲点を先程のグラフに書き込むと以下のようになります.
この変曲点を正規分布の分散\(\sigma\)になるように関数を変形します.
つまり,先程求めた変曲点\(=\sigma\)となるように変形すると以下のようになります.
$$ y = e^{-\frac{x^2}{2\sigma^2}} $$
この関数を2回微分すると変曲点が\(\sigma\)になるので,確認してみてください.
次は正規分布の平均値\(\mu\)が確率密度関数の中心,最も確率の高いところになるように関数を変形します.
$$ y = e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} $$
ここで,確率密度関数というのはすべての面積が1にならなければならないので,そうなるように正規化をします.
その結果,指数関数は最終的に以下のようになります.
$$ y = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} $$
正規分布とは
正規分布の確率密度関数\(f(x)\)は以上で求めたように,以下のような形の指数関数で表されます.
$$ f(x) = e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} $$
この関数からわかるように,正規分布には以下のような特徴があります.
- 確率密度関数は平均値\(\mu\)を中心として左右対称
- \(\mu\)が変化すると確率密度関数は左右に平行移動する
- \(\sigma\)が変化すると確率密度関数は下につぶれて広がる
- \(x=\mu\pm\sigma\)が変曲点となる
この正規分布をいちいち確率密度関数で表すのは面倒なので\(N(\mu,\sigma^2)\)と表されます.
まとめ
この記事で解説した正規分布はカルマンフィルタを理解するうえで非常に重要になってくるので,特徴などは必ず押さえておきましょう.
続けて読む
カルマンフィルタについて学習している方は以下の記事も続けて参考にしてください.
以下の記事では同時分布と周辺分布の違いについて解説しています.カルマンフィルタの式展開を理解するうえで必要になるので読んでみてください.
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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました.
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