みなさん,こんにちは
おかしょです.
この記事では同時分布とは何か,周辺分布とは何か,またそれらの違いは何なのか解説します.
この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.
- 同時分布とは
- 周辺分布とは
- 同時分布と周辺分布の違い
この記事を読む前に
同時分布や周辺分布の解説に入る前に,これらを理解するには確率変数について知っておく必要があります.
確率変数については以下の記事で解説しているので,そちらを参照してください.
同時分布とは
例えば,サイコロの目で以下のような確率変数を定義したとします.
$$ f_A = \{偶数,\ 奇数\} $$
$$ f_B = \{3以下,\ 4以上\} $$
それぞれの確立を表で表すと以下のようになります.
\begin{array}{c|c|c}
f_B\ \ f_A& \ \ 偶数\ \ & \ \ 奇数\ \ \\
\hline
3以下 & \frac{1}{6} & \frac{1}{3} \\
\hline
4以上 & \frac{1}{3} & \frac{1}{6}
\end{array}
この表はサイコロを1回だけ振った時に出てくる目で確率を求めた結果得られた表です.
それぞれの確率の求め方をすべて解説すると大変なので,例として左上の\(1/6\)という確率がどのようにして出てきたのかを解説します.
左上の要素はサイコロの目が3以下,かつ偶数の目が出る確率を表しています.つまり,式で表すと以下のようになります.
$$ P(左上) = P(3以下)\cap P(偶数) $$
これを満たすサイコロの目は2だけなので,確率は1/6ということになります.
このように,サイコロの目が3以下の時と偶数の時の両方を同時に満たすものを「同時分布」と呼びます.
サイコロを複数回振れば,出る目の組み合わせによって多くの確率変数を定義することができます.
ここで,2つの確率変数の要素を\(A_i (i=1, \cdots , n),\ B_j (i=1, \cdots , m)\)
これを用いると,同時分布には以下のような性質があります.
$$ \displaystyle \sum_{i=1}^{n} \displaystyle \sum_{j=1}^{m} P(A_i \cap B_j ) = 1 $$
周辺分布とは
次に周辺分布とは何か解説します.
先程の同時分布は\(\cap\)を用いて確率を表すことができました.
周辺分布はその逆です.\(\cup\)を用います.
先程のサイコロの目が偶数・奇数,3以下・4以上の例を用いると,先程の表の上の行を見てみます.
上の行が起こる確率というのは,サイコロの目が3以下となる確率なので,計算するまでもなく\(1/2\)となることがわかります.
これは以下のようにも表すことができます.
$$ P(3以下) = P(3以下)\cap P(偶数) \cup P(3以下)\cap P(奇数) $$
このようなものを周辺分布と言います.
周辺分布も同時分布の解説の時と同じように\(A_i,\ B_j\)を用いて表すと以下のようになります.
$$ P(A_i \cap B_1) +P(A_i \cap B_2) + \cdots +P(A_i \cap B_m) = P(A_i) $$
同時分布と周辺分布の違い
これまでの説明で,両者の違いについてわかったかもしれませんがおさらいしておきます.
周辺分布というのは,一方の確率変数の全事象が生じた時の確率を表します.
まとめ
この記事では,同時分布・周辺分布とは何か,また両者の違いは何なのか解説しました.
これらの言葉自体は覚えておく必要はないと思いますが,参考書などではたまに出てくるので,覚えておくと良いと思います.
続けて読む
確率統計学やカルマンフィルタの学習をしている方は,この記事の内容が理解できたら以下の記事も続けて参考にしてください.
以下の記事では共分散について解説しています.
Twitterでは記事の更新情報や活動の進捗などをつぶやいているので気が向いたらフォローしてください.
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました.
コメント