みなさん,こんにちは
おかしょです.
カルマンフィルタの参考書を読んでいると,共分散というワードが出てきます.
しかし,カルマンフィルタの参考書なので共分散については深く解説されていません.
そこで,この記事では共分散について最低限知っておきたい情報について解説していきます.
この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.
- 共分散とは何なのか
- 共分散を求める方法
この記事を読む前に
この記事は前回の記事の続きとなっているので,以下の記事を読んでからこの記事を読んでいただいた方が理解がしやすいと思います.
また,この記事を理解するには分散についても知っておかなければなりませんので,以下の記事も読むようにしてください.
共分散の求め方
共分散\(Cov(X, Y)\)は以下の式によって求めることができます.
$$ Cov(X,\ Y) = E_{XY} (XY)-E_{X} (X)\cdot E_{Y} (Y) $$
この式がどのようにして求められたのかは,前回の記事を参照してください.
簡単に説明すると,この式は二つの確率変数の和の分散を求めるときに出てくる一部の項を表します.
この共分散\(Cov(X, Y)\)は確率変数XとYの関係を表す一つの指標として扱われます.
以下では,共分散がどのようにして確率変数の関係性を表すのか解説していきます.
共分散とは
共分散の値によって,確率変数の相関関係がわかります.
この共分散と相関関係は以下のようになっています.
\(Cov(X, Y)\)>0の時,確率変数は正の相関関係
\(Cov(X, Y)\)=0の時,確率変数は無相関
\(Cov(X, Y)\)<0の時,確率変数は負の相関関係
正の相関というのは,確率変数Xが増加した時にYも増加するような関係を言います.
反対に,負の相関の時はXが増加した時にYが減少するような関係のことを言います.
共分散が0の時は無相関なので,XとYの増減には関係性はありません.
この共分散\(Cov(X, Y)\)がわかると,どのようなことが起こるのでしょうか.
例えば,複数の株に投資をすることを考えます.
投資をするときはできるだけリスクは押さえて,多くの利益を考えることが大切です.
このときのリスクというのは,損失が生じる可能性のことです.
どのようなときに損失が生じる可能性が高くなるのかというと,共分散が大きい時です.
複数の株に投資する理由は一方の株で損失をしても,一方の株で埋め合わせができるようにするためです.
共分散が正の時は,一方の株の損失が大きくなるともう一方の株の損失も大きくなってしまうので,そのような状況だけは避けたいです.
反対に共分散が負の値の場合は,一方で損失が大きくなってももう一方は利益が出るため埋め合わせができます.
このように株の共分散がわかれば,損失を押さえて利益を生み出すことが可能となる株を選択して投資をすることができるようになります.
まとめ
この記事では共分散の求め方・共分散の意味などを解説しました.
共分散というのは確率変数の相関関係を表す指標の一つで,カルマンフィルタでも共分散の性質を利用して理論構築がされています.
カルマンフィルタの学習をしている方は,共分散の持つ意味をしっかり理解しておく必要があります.
続けて読む
カルマンフィルタの学習や確率統計学の勉強をしている方は以下の記事も参考になると思います.
カルマンフィルタではノイズは正規分布の従うことが仮定として理論構築されています.
上の記事では,そもそも正規分布とはどんな分布のことを言うのかについて解説をしています.
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それでは,最後まで読んでいただきありがとうございました.
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