みなさん,こんにちは
おかしょです.
私は大学で航空宇宙工学を学んでいます.今は専攻を制御工学として,制御系の研究室に所属していますが,学部生の時は4力学と言われる「流体力学」「熱力学」「材料力学」「工業力学」をすべて学んでいました.
この記事では4力のうちの一つの「流体力学」を学習する際に役に立った参考書をご紹介します.また,流体力学について何も知らない方や大学院の入試にも役に立つと思うので,参考書選びに役立ててください.(制御工学を専攻しているやつに「流体力学の参考書なんて薦められたくないわ!」と思う方もいると思いますが,私は以下で薦めている参考書を使って学部時代の流体力学の成績は最高の「S」だったので,参考書は良いものだと思っています)
この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.
- 流体力学の参考書の選び方
- おすすめの参考書
参考書を選ぶ際のポイント
まずは流体力学の参考書を選ぶ時のポイントを解説します.ポイントは以下の4点です.
- 図による解説が多いか
- 演習問題が充実しているか
- 途中式がわかりやすいか
- できるだけ多くの問題を解く
図による解説が多いか
流体と言うのは液体だけではなく,空気も流体です.そのため,目には見えない流れをイメージする必要があります.
このイメージをするために利用されるのが図です.この図が以下にわかりやすいかで,流体力学の理解度は大きく変わってきます.流体力学の参考書にはこういったイメージをしやすいように図が必ず書かれているのですが,すべての解説に図が書かれているわけではありません.
図が書かれていないと,どうしてもイメージがわきにくく理解しづらいことがあります.そのため,図による解説が多ければ多いほど,流体力学初心者の方に向いている参考書と言えます.
演習問題が充実しているか
理論的なことを理解しても演習問題が解けないようでは意味がありません.演習問題が解けなければ,理解したつもりになっただけで,正しい知識は身につきません.
演習問題を解くことができれば,大学のテストや大学院入試のテストを解くこともできます.さらに,基礎的な知識が身についたことが確認できるので,研究室に所属して流体力学の研究をすることもできます.
そのため,演習問題を解くということは非常に重要です.すぐには解くことができなくても,回答・解説を読んで理解できればOKです.ただ,参考書によっては問題だけで回答が載っていなかったり,演習問題が少なすぎて理解度の確認には不十分な場合があるので注意が必要です.参考書を選ぶときは演習問題の量や回答・解説が載っているか確認しましょう.
途中式がわかりやすいか
流体力学ではイメージが大切だと言いましたが,そのイメージを裏付ける理論がしっかりあります.その理論は数式で表されるため,数式の証明や演習問題を解くために計算をする必要があります.参考書に数式は載っているけど,途中の式展開がわからなくなってしまうと困ってしまいます.式展開で躓いてしまうと,そのあとの問題も解くことができなくなってしまい挫折につながる可能性があります.
以下でおすすめする参考書は式の導出のわかりやすさにも注目して選んだので,参考にしてください.
できるだけ多くの問題を解く
これは参考書選びのポイントではないのですが,流体力学をしっかり理解するためにはできるだけ多くの演習問題を解くことが重要です.先ほど説明したポイント「演習問題が充実しているか」に注目して選んだ参考書でも,演習問題の数には限りがあります.また,参考書の著者は1人であることが多いので問題文の書き方などに偏りが生まれてしまい,大学院入試などで同じような問題でも問題文の書き方が違うせいで混乱してしまうことがあります.
このようなことにならないように,複数の参考書の演習問題を解くか演習問題のみを扱っている参考書を使って学習することをおすすめします.
おすすめの参考書
以上のポイントを踏まえて,私がおすすめする参考書をご紹介します.なお,上から順番におすすめ度が高くなっているので参考にしてください.
0. 漫画でわかる流体力学
まず,頭に「0」を付けました.これはすべての方が読むべき参考書というわけではないからです.ただ,読むなら最初に読んで欲しいから1番最初にご紹介します.
この参考書は,タイトルの通りに流体力学を漫画で解説しています.そのため,非常にとっつきやすく楽しく読み進めることができます.ただ,漫画なので不要なストーリー展開や無駄なネタ要素があります.そのため,大学院の入試やテストが近くて時間を無駄にしたくない方にはお薦めできません.
この参考書は「これから流体力学を学んでいこうと思っている」方や,「流体力学って何なのか知りたい」方には非常におすすめです.いきなり数式などで説明するのではなく,身の回りの例や図を使って流体力学につながる現象を解説しているので,流体力学のイメージが定着しやすいです.
このイメージを定着させてしまえば,もっと理論の深いところまで理解するために他の難易度の高い参考書を読んでも理解しやすくなります.先ほど時間があまりない方にはお薦めできないと言いましたが,そのような方はこれ以降に紹介する参考書を読んでイメージがわかりにくければ,この参考書で補間をするのも良いと思います.
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1. 流体力学ーシンプルにすれば「流れ」がわかる
この参考書の説明は非常にわかりやすいです.図を使った解説も十分にされていて,レベルはそこまで難しくなく,流体力学初心者でも十分ついていけると思います.
また,この参考書の最も特徴的なところは演習問題の解説がホームページ上で公開されていることです.参考書によっては解答が載っていないものや,解答が載っていたとしても略解で全然役に立たないことがあります.しかし,この参考書はホームページ上でPDFが配布されているので,わからない問題があっても解答・解説を見て確認することができます.
ちなみにこの解答・解説は参考書を購入しなくても見ることができるので,演習問題だけやりたい方は購入しなくても良いかもしれません.
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2. 単位が取れる流体力学ノート
ご存知の方もいるかもしれませんが,「単位が取れるシリーズ」に外れはありません.
このシリーズの本は,普通の参考書と比べて字や図が大きく掲載されていて非常に読みやすいです.それにわかりや憂さにとことんこだわって作られているので,説明が懇切丁寧になっています.
ただ,理論的に深いところには手を出していない,かゆいところに手が届かない部分もあるので注意は必要ですが,この参考書に掲載されている図は非常にわかりやすいので流体力学のイメージを定着させるのにも役に立つと思います.
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3. 流体力学(JSMEテキストシリーズ)
この参考書は大学のテキストとしても使用されます.この参考書は大型本なので,持ち運びはしにくいですが,これ一冊あれば大学院入試から大学のテストまでカバーできる優れた参考書です.流体力学の基礎から中級者向けの内容までが丁寧に解説されています.
また,著者が日本機械学会となっていて複数の著者に執筆されています.そのため,説明に偏りがなく載っている演習問題の出題の仕方に偏りがないと思います.
ただ,上の参考書と比べると本自体が大きくて持ち運びしにくいのと,掲載されている図がわかりにくく,この参考書だけでは途中でついていけずに挫折することがあります.私の大学でも,この参考書を教科書として授業を受けていたのですが,教授もテキストも何を言っているのかわからず苦労しました.
この参考書の内容をすべて理解することができれば,大学院入試も怖くないのでコスパ重視で行きたい方はこの参考書はおすすめです.
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4. 演習流体力学(JSMEテキストシリーズ)
上で紹介した参考書の演習問題バージョンです.
参考書で得た知識がしっかり身についているのかを確認するのにうってつけの演習問題集です.ほかの参考書に乗っている演習問題だけでは不安な方は,この演習問題集を購入して自分の力を試すと良いと思います.
大学院入試に向けて勉強している方の場合は,入試の過去問をやった方が良いと思いますが,過去問もすべて終わってしまったときはこの演習問題集をやるとさらに理解が深まります.
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まとめ
この記事では流体力学の入門書を5冊紹介しました.
この記事を読んでも度の参考書を買おうか迷っていて,どれか1冊だけ参考書を買おうと思っている方は広範囲の内容をカバーした「流体力学(JSMEテキストシリーズ)」がおすすめです.少しわかりにくい部分もありますが,何度も読み返せば理解できると思います.
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2冊買う余裕がある方は,以下の2冊を購入することが1番おすすめです.
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続けて読む
この記事では流体力学の参考書を紹介しましたが,以下の記事では「制御工学」の参考書を紹介しています.大学院入試で制御工学の勉強もしなければならない方は参考にしてください.
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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました.
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