部分分数分解の計算方法を例題を交えて徹底解説

制御工学

みなさん,こんにちは
おかしょです.

この記事では部分分数分解について解説します.

私は部分分数分解を高校生の時に初めて習ったのですが,その時にはなぜこのような計算が必要なのかわかっていませんでした.

しかし,理系の大学に入学してこれは運動方程式を解くために必要なのだと気づきました.

制御工学を学んでいる私としては運動方程式を解くことは非常に重要です.
つまり,部分分数分解は必ずできるようになっておかなければならない計算方法です.

この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.

  • 部分分数分解の計算方法
  • 1次遅れ系の部分分数分解
  • 2次遅れ系の部分分数分解

 

部分分数分解の計算手順

部分分数分解を行うには以下の手順に沿って行えば,分解することができます.

  1. 分母を因数分解する
  2. 各因子ごとに分数を分ける
  3. 分母を消去する
  4. 係数ごとに比較をする

 

分母を因数分解する

まずは分母をできるだけ因数分解します.

これをすることで,分数をどれだけ細かく分解できるのかが決まります.

ここで因数分解をしっかりできないと正しい回答を得ることはできないので,注意してください.

どうしても因数分解ができない場合は,その分数は部分分数分解をすることはできません.

 

各因子ごとに分数を分ける

例えば,先程の分母を因数分解して以下のような分数が得られたとします.

$$ \frac{2}{x^2+5x+6} = \frac{2}{(x+2)(x+3)} $$

これを各因子ごとに分数を分けると以下のようになります.

$$ \frac{2}{(x+2)(x+3)} = \frac{A}{x+2}+ \frac{B}{x+3} $$

ここで,AとBは定数とします.

今回の例の場合は分母の次数が1次ですが,2次以上のものが混ざることがあります.
そのようなときは分母の次数よりも1次減らした多項式を分子に設定します.

 

分母を消去する

分母を因子ごとに分けることができたら,先程の定数AとBを求めます.

そのために,両辺に分母を掛けて消去します.

先程の例で分母を消去すると以下のようになります.

$$ 2 = A(x+3)+B(x+2) $$

 

係数ごとに比較する

最後に係数の比較を行って,定数AとBを求めます.

先程の例題は展開すると

$$ 2 = (A+B)x+3A+2B $$

となるので,以下のような連立方程式を立てることができます.

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
A+B = 0 \\
3A+2B = 2
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

この連立方程式を解くとA=2,B=-2となります.

従って,部分分数分解をした結果は以下のようになります.

$$ \frac{2}{x^2+5x+6} = \frac{2}{x+2}- \frac{2}{x+3} $$

以上が部分分数分解の計算の流れになります.

 

例題その1

以下のような分数を部分分数分解します.

$$ \frac{1}{x(x+3)} $$

上で示したような手順に沿って部分分数分解をすると以下のようになります.

\begin{eqnarray}
\frac{1}{x(x+3)} &=& \frac{A}{x}+\frac{B}{x+3}\\
1 &=& A(x+3)+Bx\\
1 &=& (A+B)x+3A
\end{eqnarray}

これより以下の連立方程式が成り立ちます.

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
A+B = 0 \\
3A = 1
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

これを解くと,\(A=\frac{1}{3},\ B=-\frac{1}{3}\)となります.

\begin{eqnarray}
\frac{1}{x(x+3)} &=& \frac{\frac{1}{3}}{x}-\frac{\frac{1}{3}}{x+3}\\
\frac{1}{x(x+3)} &=&\frac{1}{3}\left(\frac{1}{x}-\frac{1}{x+3}\right)
\end{eqnarray}

部分分数分解をすると以上のような結果になります.

 

例題その2

次は以下のような分数を考えます.

$$ \frac{1}{x(x+1)(x+2)} $$

これを部分分数分解すると以下のようになります.

\begin{eqnarray}
\frac{1}{x(x+1)(x+2)} &=& \frac{A}{x}+\frac{B}{x+1}+\frac{C}{x+2}\\
1 &=& A(x+1)(x+2)+Bx(x+2)+Cx(x+1)\\
1 &=& (A+B+C)x^2+(3A+2B+C)x+2A
\end{eqnarray}

これより以下の連立方程式が成り立ちます.

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
A+B+C = 0 \\
3A+2B+C = 0 \\
2A = 1
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

これを解くと,\(A=\frac{1}{2},\ B=-1,\ C=\frac{1}{2}\)となります.

\begin{eqnarray}
\frac{1}{x(x+1)(x+2)} &=& \frac{\frac{1}{2}}{x}-\frac{1}{x+1}+\frac{\frac{1}{2}}{x+2}\\
\frac{1}{x(x+1)(x+2)} &=&\frac{1}{2}\left(\frac{1}{x}-\frac{2}{x+1}+\frac{1}{x+2}\right)
\end{eqnarray}

部分分数分解をすると以上のような結果になります.

 

例題その3(1次遅れ系に単位ステップ入力を加えたとき)

次は1次遅れ系の伝達関数に単位ステップ入力を印可した時の分数を部分分数分解します.

\begin{eqnarray}
Y(s) &=& \frac{K}{Ts+1} \frac{1}{s} \\
&=& \frac{A}{s}+ \frac{B}{Ts+1}\\
K&=& A(Ts+1)+Bs\\
K&=& (AT+B)s+A\\
\end{eqnarray}

これより以下の連立方程式が成り立ちます.

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
AT+B=0 \\
A = K
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

これを解くと,\(A=K,\ B=-TK\)となります.

$$ Y(s)=\frac{K}{s}- \frac{TK}{Ts+1} $$

 

例題その4(2次遅れ系に単位ステップ入力を加えたとき)

次は2次遅れ系の伝達関数に単位ステップ入力を加えた時を考えます.

\begin{eqnarray}
Y(s) &=& \frac{\omega^2}{s^2+2\zeta \omega s+\omega^2} \frac{1}{s} \\
&=& \frac{A}{s}+ \frac{Bs+C}{s^2+2\zeta \omega s+\omega^2}\\
\omega^2&=& A(s^2+2\zeta \omega s+\omega^2)+(Bs+C)s\\
\omega^2&=& (A+B)s^2+(2\zeta \omega A+C)s+\omega^2 A\\
\end{eqnarray}

これより以下の連立方程式が成り立ちます.

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
A+B=0 \\
2\zeta \omega A+C = 0\\
\omega^2 A = \omega^2
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

これを解くと,\(A=1,\ B=-1,\ C=-2\zeta \omega\)となります.

$$ Y(s)=\frac{1}{s}- \frac{s+2\zeta \omega}{s^2+2\zeta \omega s+\omega^2}$$

 

まとめ

この記事では部分分数分解の計算方法を解説しました.

さまざまな場合を想定した例題を通して解説をしてきました.
おそらく,この例題を応用すればある程度の部分分数分解の問題は解けると思います.

 

続けて読む

この記事で解説した部分分数分解を利用して微分方程式を解くことができます.

以下の記事ではその方法を解説しているので,読んでみてください.

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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました.

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