ラプラス変換を利用して微分方程式を解く方法

制御工学

みなさん,こんにちは
おかしょです.

私が通った大学では,最初の物理の授業は微分方程式の解き方でした.

物理ではさまざまなシステムの運動方程式を求めます.

高校生の時は「ma=F」という式を求めて,公式を使って変位xや速度vの式を求めていました.

しかし,大学では運動方程式は微分方程式で表します.
高校生の時から変位の微分は速度で,速度の微分は加速度だということは知っていましたが,どうやって計算するのかは知りませんでした.

微分方程式の解き方はいくつかありますが,この記事ではラプラス変換を利用した微分方程式の解き方を解説します.

この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.

  • 微分方程式の解き方
  • ラプラス変換の使い道

 

この記事を読む前に

この記事ではラプラス変換を利用した微分方程式の解法を解説します.

そのため,ラプラス変換を多用しています.

ラプラス変換のやり方を知りたい方は以下の記事を先に読んでおくことをおすすめします.

 

微分方程式を解く手順

微分方程式は一般に以下のような形をしています.

$$ a \frac{d^{2} x}{dt^2}+b\frac{dx}{dt}+cx= f(t)$$

この微分方程式を解くには,以下の手順に沿って計算をする必要があります.

  1. 微分方程式をラプラス変換する
  2. 部分分数分解する
  3. 逆ラプラス変換する

この3つの手順だけで微分方程式を解くことができます.普通に得よりも簡単だと思います.

以下では,この手順を一つずつ解説していきます.

 

ラプラス変換を利用した微分方程式の解き方

ここでは,例として以下の微分方程式を解いていきます.

$$ \frac{d^{2} x}{dt^2}+4\frac{dx}{dt}+4x= 6 $$

 

微分方程式をラプラス変換する

まずは微分方程式をラプラス変換します.

先程の微分方程式をラプラス変換すると,以下のようになります.

$$ s^2 X+4sX+4X = \frac{6}{s} $$

ここで,初期値はすべて0としました.
これをXについて解きます.

\begin{eqnarray}
(s^2 +4s+4)X &=& \frac{6}{s}\\
X &=& \frac{6}{s(s^2 +4s+4)}\\
&=& \frac{6}{s(s+2)^2}
\end{eqnarray}

 

部分分数分解をする

ラプラス変換をしたら,得られた分数を部分分数分解します.

部分分数分解のやり方についてはこちらを参照してください.

先程得られた分数を部分分数分解すると以下のようになります.

\begin{eqnarray}
X &=& \frac{6}{s(s+2)^2} \\
&=& \frac{3}{2} \cdot \frac{1}{s}-\frac{3}{2} \cdot \frac{1}{s+2}-\frac{3}{(s+2)^2}
\end{eqnarray}

 

逆ラプラス変換する

最後に部分分数分解した結果を逆ラプラス変換します.

\begin{eqnarray}
x(t) &=& \frac{3}{2}-\frac{3}{2}e^{-2t}-3e^{-2t} t\\
&=& \frac{3}{2}-\left(\frac{3}{2}+3t\right)e^{-2t}
\end{eqnarray}

以上がラプラス変換を利用した微分方程式の解法になります.

 

まとめ

この記事ではラプラス変化を利用した微分方程式の解き方を解説しました.

特性方程式を求める方法では,非同次微分方程式を解くには最初に同時微分方程式の一般解を求める必要があります.その後に特殊解を求めなければなりません.

しかし,この記事で解説したラプラス変化を利用した方法ではそのような工程が必要ないのですぐに答えを導き出すことができます.

 

続けて読む

この記事ではラプラス変換を使った微分方程式の解き方を解説しましたが,ラプラス変換を利用しないでも微分方程式を解くことはできます.

以下の記事では,ラプラス変換を使用せずに微分方程式を解く方法について解説しているので,参考にしてください.

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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました.

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