みなさん,こんにちは
おかしょです.
大学院に入学するには内部進学であろうが外部進学であろうが入学試験があります.入試の科目には専門分野も含まれており,制御工学を選択する方もいるかと思います.
この記事ではそのような方におすすめの参考書をご紹介します.
そのような方でなくても,制御工学の基礎を学びたい方にもおすすめです.
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この記事を読むと以下のようなことがわかる・できるようになります.
- 大学院入試におすすめの制御工学の参考書
- 古典制御の基礎を学べるわかりやすい参考書
入試で出題される制御工学
制御工学には「古典制御工学」と「現代制御工学」の二種類があります.
両者の違いはさまざまありますが,古典制御工学はシステムを周波数領域で考え,現代制御工学は時間領域で考えます.
どちらの考え方も重要で,これから制御系の研究室に入りたい場合はどちらも学んでおかなければなりません.
大学院の入試でも古典制御と現代制御の両方から出題されます.
どちらかというと古典制御工学の方が問題数は多くなっていて,古典制御工学の中から基本的な以下のような問題が出題されることが多いです.
- システムの極について
- 伝達関数
- ボード線図
- 安定性について
このブログでも取り扱っているものもあるので以下の記事も読んでみてください.
[制御工学] 「極って何?」という質問に大学院生が答えてみます
[ボード線図] ゲイン線図とは・書き方から学んで理解する
[ボード線図] 位相線図とは・書き方から学んで理解する
伝達関数とは・導出方法まで詳しく解説
このブログ以外のブログなどでも解説をしているサイトはいくつかありますが,どうもブログは信用できないという方もいると思います.そのような方は参考書で勉強したり,大学の教授に質問をしなければなりません.
この記事では上にあるような範囲を勉強するのにうってつけの参考書をご紹介します.
古典制御の基礎を学ぶのにうってつけの参考書
今回ご紹介する参考書が以下の「わかる制御工学入門」というものです.
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こちらの本で先程の範囲はすべてカバーできます.
システムの極について
この本では,最初に数学的準備として古典制御において重要なラプラス変換から解説をしています.
古典制御工学はシステムをラプラス変換した式で,さまざまな計算をしていきます.しかし,多くの参考書ではラプラス変換の解説は行われていません.まあ,ラプラス変換は制御工学ではなく数学の範囲なので,解説がされていなくても不思議ではないのですが,制御工学の初心者の方が誰でもラプラス変換を理解しているわけではないのでラプラス変換から解説をしてあるのは非常に助かります.
この1章の数学的準備の時点で極と応答の関係について簡単な解説があります.
他の章でもゼロ点の解説やゲイン余裕,位相余裕などの解説がしてあります.
伝達関数
続く2章から本格的な制御工学の解説が始まります.
2章では伝達関数とブロック線図の関係について書かれており,図や具体例を交えてタイトルにあるようにわかりやすく書かれています.
伝達関数からブロック線図を求める方法やブロック線図から伝達関数を求める方法については理解できない人が多く,よく学生が質問に来ます.
私は授業を聞いても伝達関数とブロック線図の関係がわかりませんでしたが,この本を読んだら理解できたのでおすすめです.
ボード線図
5章ではボード線図について解説してあり,書き方のポイントを順を追って丁寧に解説されています.私はこれまでに20冊以上制御工学の参考書を読んでいますが,ここまで丁寧でわかりやすい参考書はなかったです.
安定性について
6章からは安定解析の方法について解説されています.
ラウスの安定判別法,根軌跡法,ナイキストの安定判別法について書かれています.
どの方法も求め方や図の書き方を丁寧に解説してあり,例題も用意されているので自分の理解度の確認もできるようになっています.
最後の章では,少しだけ現代制御について触れています.
まとめ
この記事では制御工学の基礎や大学院の入試で参考になる「わかる制御工学入門」をご紹介しました.
この参考書は図や具体例を使って解説してあり,普通の参考書では省かれてしまう途中計算もしっかりと書かれています.
そのため,ページ数は262ページと少し分厚いですが,途中式などが多いため意外と早く読み終えることができます.
制御工学の基礎を学びたい方は購入してみてはいかがでしょうか
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続けて読む
この記事で紹介した参考書がおすすめですが,大学院入試のために制御工学を学ぶのではなく,制御工学を全体的に深くまで学びたい方は以下の記事で紹介している参考書がおすすめです.
ぜひ続けて読んでみてください.
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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました.
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